”遊び” と ”身体” の研究所

“こども”は遊びから学び、心身が育っていきます。また昨今、問題となっている高齢者の介護予防にも遊び要素はたくさん含まれてます。これから成長していく者、衰えを防止する者、遊びは身体を作ってくれます。そんな“遊び”と“身体”のことを根拠を用いて考えていこうと思います。中間層の興味のある健康分野も取り上げますので、時たま覗いていって下さいね。

幼児期は運動発達において重要な時期!!

◽️幼児期から一流のスポーツ選手を育てようとしている!?

 

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幼児期は無邪気におもちゃで遊ぶ反面、著しく発達をしていく時期です。

 

柳田らの研究によると、104か所の幼稚園の85.6%において外部体育指導員の導入が行なわれていると報告しているデータがあります。

 

確かに運動の専門家が指導することで、高度な運動の示範(真似)が期待できますが、大人が行っているスポーツをそのまま導入することで、幼児期の発育・発達を無視した指導になっている可能性があります。

 

プロサッカー選手の宇佐美選手は、2歳でサッカーを始め自らオムツを外したなどとTVの実況で言われていました。

 

早くから競技に慣れることで技術の獲得を行い、一流の選手に近づけるのかもしれません。

 

しかし、幼児期から一つの競技をやり続けることが果たして良いことなのでしょうか?

 

◽️幼児期は一体どのような時期!?

 

幼児期は神経が著しく発達するため、人間の発達の中で基礎となる運動感覚(バランス感覚、回転感覚、スピード感覚など)を身につけることに適している時期です。

 

また、この時期に適切な運動を行うことで、神経の発達を促進して運動の巧みさを獲得できるとも言われています。

 

そう考えると、一つのスポーツでは動きに限りがあり、基礎を通り越して応用を優先すると正常な発達とは異なるとも解釈できます。

 

インディアナ州大学のGallahue氏も「発達の観点から、幼少期の体育では専門的な技術よるりも基礎的な運動能力を身につけることを先行させるべき」と述べています。

 

◽️基礎的な能力を伸ばすためには?

 

これは、以前からお話ししておりますが、様々な動きを経験することです。

 

多様な動きを行うことで運動刺激を与え、運動神経の発達を促すことで生活の中の動き・とっさの時の動き・将来のスポーツに結びつく動きなど様々な動きを獲得することができます。

 

幼児期は特定の運動だけを行うのではなく、体を動かす遊びなどを通して多くの動くを経験させていきましょう。

 

【参考】

柳田:幼稚園教師の運動遊びに関する指導理念の調査研究

山田ら:幼児の跳躍動作における運動伝導の評価

塩田:幼児期における運動あそび指導と動作獲得に関する一考察